今回のテーマは、「日本と米国の貧困問題」についてです。
貧困という言葉はニュースなどで多く耳にする言葉ですが、世界のどこかで起こっていることという印象が強い方もいるのではないでしょうか。私自身、大学で勉強するまで国内の貧困問題について考える機会がありませんでした。そこで、今回は日本国内の貧困問題、そして私が滞在経験のある米国を取り上げて貧困問題について書かせていただきます。
OECDの統計によると、加盟国30カ国の中で、相対的貧困率は米国が三番目、日本が四番目と高い貧困率にあります。このように、貧困という言葉はどちらの国にも共通して存在する問題です。
実際に、私が米国の貧困を目の当たりにしたことがあります。それは、私がダウンタウンに訪問した際にバスから見えた光景でした。橋に数え切れないほどテントが張ってあり、使い古した服を着た、多くの人たちがそこで生活していたのです。どの橋を見ても同じ状況で、高層ビルが立ち並び沢山の人が行き交う都心部のキラキラした光景との差異に大変驚いた記憶が鮮明に残っています。
現地の方にお話を聞くと、Skid Rowという地区があってそこは特にホームレスや職がなくてお金に困っている人たちが沢山いて、ここは貧富の格差が大きいのだよとの事でした。日本でも、大阪や東京などの都市部でもホームレスの人を見ることがありますが、それを超える光景に貧富の差の大きさを肌で感じたのです。
では、“貧困”という大きな問題の要因はどこにあるのでしょうか。日本では、貧困層は母子世帯や単身世帯・20代前半男性・子供と3つの要素が指摘されています。20代前半男性に見られる原因として、低い学力があります。これは、親の所得と関係しており本当にお金に困っている家庭の子どもは義務教育後に学校に通う可能性が低いと考えられます。
そして、母子世帯や単身世帯と子供は繋がっていて、ひとり親世帯の貧困率は世界でも最下位を記録しています。これは日本では、公的扶助の受給率が低いために政府から様々なサポートを十分に得られず、結果的に子供の貧困にも関係します。
一方で、米国の貧困には格差、失業者というキーワードが原因要素にあります。貧富の格差が大きいことが国内で問題になっているが、この根底には金銭的な問題により、教育を受ける機会がないことがあります。
そして、実力社会と言われる米国では、能力のある人が仕事を受けることから、教育を受けることが出来なければ高度な能力の蓄積が出来ず、能力がなければ仕事を辞めさせるという一つの悪循環が貧困を起こす原因にもなっています。
皆さんはこのような現状を知った上で、今後どのような対策を打つべきだと考えますか?
今回は日本と米国の貧困の原因について焦点を当ててコラムを書かせていただきましたが、私たちの身近には様々な問題が存在しています。私たちが知らない問題にも関心を持つきっかけになれれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。
※相対貧困率…ある国や地域の大半よりも貧しい相対的貧困者の全体の人口に占める比率。
※相対的貧困…ある国や地域社会の平均的な生活水準を比較し、所得が著しく低い状態。
参考文献:http://www.pursuegod.org/causes-of-poverty-in-america/
http://www.huffingtonpost.jp/…/23/nihonnohinkon_n_5871294.h…
http://www.nippon.com/ja/features/h00072/
http://borgenproject.org/what-causes-global-poverty/