皆さんこんにちは。Bridge for Children, KGUの2回生の奥田愛梨です。今回のコラムでは、「世界の難民とその子どもたち」について書かせて頂きます。
皆さん、難民とはどのような人たちのことか知っていますか?ここ数年、テレビのニュースでもよく耳にする機会が多い難民問題ですが、しっかりと理解している方は少ないのではないでしょうか。
難民とは、人種、宗教、国籍、政治的意見、特定の社会集団に属するなどの理由で、自国にいると迫害を受ける、あるいは迫害を受ける恐れがあるために他国に逃れた人々のことです。つまり、何らかの理由で祖国にいることが出来なくなり、別の国に移り住んでいる人々のことを指します。ここ数年、世界的な問題となっているシリア難民も、過激化する内戦のために、国外へ逃れざるを得なくなった人々のことです。
そして、世界に2250万人いる難民の内50%が子どもだという事実があります。私はBFCの一員としてこの問題に注目しました。
更に、避難先で庇護申請をした子どもの中で、親とはぐれ、一人で避難している子どもたちの数は、2016年だけで約7万5000人にも上ります。庇護申請をしていない子どもの数も含めると、実際にはもっと多くの難民の子どもたちがいると考えられます。このような難民の子どもたちの多くは戦争や紛争の迫害によって心が傷ついていて、トラウマを抱えながら避難生活を送っています。また、親や家族とはぐれ、誰にも頼ることが出来ず、一人心細い中で生活をしている子どもたちも多くいます。
このような子どもたちは、暴力を受ける、密航業者や人身売買による搾取、少年兵にさせられるなどの危険に晒されています。国連のUNICEFやUNHCRなどの様々な機関や、セーブザチルドレンなどのNGO団体がこのような子どもたちの状況を改善するために支援を実施しています。
特にUNICEFは、難民の子どもたちに対する対応として、世界中に以下のことを呼びかけています。
1.難民の子どもたちを、搾取や暴力から保護すること。
2.難民認定や移住を求める子どもたちの拘留を終わらせること。
3.子どもを保護し、家族が一緒にいられるようにすること。
4.学び続けられる機会と、保健を提供すること。
5.難民問題を引き起こす根本原因に対処する行動を、強く求めること。
6.難民に対する嫌悪、差別、社会的排除と闘う対策を促すこと。
上記のことに対する意識がもっと多くの国々に広がれば、難民の子どもたちの保護や、彼らが安全で健康な生活を送ることに繋がると考えられます。
私は何の罪もない子どもたちがこのような命の危険に晒されているという事実に胸が痛みます。それと同時に、日本人に何か出来ることはないのか、と思います。私は、まずは世界の難民問題への関心を高めることであると考えます。日本は島国なので、大陸の問題に危機感を覚えず、他人事のように捉えがちです。少子高齢化が進む日本にとって、難民問題は決して他人ごとではなく、未来に直面するかもしれない事実です。明日は我が身だと考え、一人一人が自分に出来るアクションを考えてみることが大切だと思います。
最後までお読み頂きありがとうございました。
参考文献
国連UNHCR協会https://www.japanforunhcr.org/lp/refugee_children
UNICEF「難民危機」https://www.unicef.or.jp/news/2017/0189.html