こんにちは。 BFC4回生の守本美咲です。
いつもBFCのコラムをお読みいただき、ありがとうございます。
今回は「児童労働」についてコラムを書かせていただきたいと思います。
BFCのコラムで「児童労働」を取り上げようと思ったきっかけは、フィリピンで家族から児童労働を強いられている男の子に出会ったことでした。
その男の子は、スナック菓子を売っているのですが、ノルマを達成するまでに家に帰ると両親に怒られて、家に入れてもらえないため、朝から晩まで働いているようでした。
もちろん学校にはいけません。初めは、NGO団体が行っている無償の教育プラグラムにも参加することを許してくれなかったそうです。しかし、NGO団体のスタッフの方が両親を説得し、日々のお菓子売りのノルマを達成することを条件に、参加を認めてくれたそうです。
それまで、テレビなどで「児童労働」についてみる機会はありましたが、実際に男の子に出会い、NGOの方の話を聞くとその深刻さが伝わってきました。
UNICEFでは、子どもの心身の発達や、社会性・教育面での発達を阻害するような危険な労働を強いられた場合、それは有害な「児童労働」と定義しています。
世界には、給料の有無に関わらず、様々な形態で働いている子どもたちが多く存在し、
こうした児童労働に従事する5~17歳の子どもは約1億5200万人存在するとされています。特にアフリカやアジア(特に南アジア)の発展途上国において、「児童労働」が深刻な問題となっています。南アジアの中でも特に児童労働が深刻なパキスタンでは、学校に通っていない子ども(7歳〜14歳)の88%が働いていると報告されています。またインドやバングラデシュでも、その割合は40%以上と見積もられています。
児童労働の内、一番多いのは農業分野での労働だと言われています。約6割の子供たちが農業分野で働いています。それらから作り出される物の中には、普段私たちが使っているようなものの原材料も含まれています。チョコレートのカカオや、Tシャツの原料になるコットンの生産のために、子どもたちが日々汗を流して、学校にも行けずに働いている状況があるというのが現状です。
これらの背景には、貧困という問題があります。
親の収入だけでは生活できない家庭の子どもや、親が病気になってしまった家庭の子ども、そして家事などの無償労働を強いられている女の子など、理由は様々です。
「児童労働」はそれに従事する子どもたちだけでなく、その国自体にも悪影響を与えます。「児童労働」の主な影響として挙げられるのは、
1.子どもたちの権利と健全な発達が侵される
2.貧困の連鎖 (国の経済発展や社会の安定への悪影響につながる)の大きな原因となる
3.教育の機会の損失
です。
「児童労働」によって、生計を立てている家庭や子どもたちが世界にはたくさん存在します。その数は日本の全人口にも匹敵するような数です。「児童労働」は健康や発育、教育の機会に大きな影響を与えるだけでなく、時には犯罪など生命を脅かすような事態にも繋がります。そのような「児童労働」によって、私達が日々使っている日用品や食料品が安く供給されることに繋がっている可能性があることを、私達は知っておかなくてはなりません。安さや便利さばかりに惑わされるのではなく、その裏に隠れた「児童労働」など世界の現状に目を向けていくことが大切なのではないでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
参考文献;
東洋経済「あなたが知らない児童労働の過酷すぎる現場」 http://toyokeizai.net/articles/-/182965
UNICEF「児童労働」 https://www.unicef.or.jp/about_unicef/about_act04_02.html