こんばんは。
BFC4回生の本江文乃です。
皆さんはマンホールチルドレンという言葉を聞いたことがありますか?
今回は私が国際協力に関心を持ったきっかけであるマンホールチルドレンについてお話したいと思います。
マンホールチルドレンとは、恐らく皆さんが想像する通り、住む家がなく、マンホールの中で生活している子どもたちのことです。
約10年前 小学6年生のときに通っていた小学校に、彼らがモンゴルのマンホールチルドレンを支援するNPO団体と共にやって来て交流したことがきっかけで、世界にはこんな生活をしている子どもたちがいるのかと衝撃を受けました。
世界にはマンホールチルドレンが約1億人いると言われています。彼らの住む主な国はモンゴルやルーマニア、アフリカなどですが、私が実際に交流をしたのはモンゴルの子どもたちでした。子どもたちがマンホールで暮らす理由は様々です。親に捨てられた、家族と死別した、失業した親から暴力をふるわれ逃げてきたなど。それらの背景にはモンゴルの社会状況が関係しています。
モンゴルはかつて社会主義国で、社会主義国経済協力機構であるCOMECONに加盟し、ソ連から多額の資金援助をうけていました。しかし1991年のソ連崩壊とCOMECON解体の影響でモンゴル経済は大打撃をうけます。人々は仕事を失い、食べ物を失い、住む場所も失いました。失業者が60%を越え、アルコール中毒者が増え子どもへの虐待事件が後を絶ちませんでした。それらがマンホールチルドレン増加の主な原因だと考えられています。
彼らの生活は悲惨極まりないものです。子どもたちは店から盗んできた洋服を毎日洗うことなく身につけ、物乞いや路上で歌を歌うことでお小遣いを稼ぎます。少し年齢の大きい子どもたちは車洗いやガム売りでお金を手にするのです。夜は温水供給パイプに抱きついて寝たり、パイプとパイプに板を挟んでベッド代わりにします。中には鼠に耳や唇を噛まれ、傷だらけになったり感染症にかかる子どももいます。
2010年以降、国やNPOは彼らのために孤児院をおよそ40箇所建て、積極的に保護する活動を行っています。おかげで現在マンホールチルドレンの数は20年前と比べて1/4にまで減ったと言われています。しかしそれでも尚、マンホールという悪環境の中で暮らす子どもは存在します。
10年前に交流したモンゴルのマンホールチルドレンの笑顔、彼らのために何か自分に出来ることはないだろうかと感じた思いを私は一生忘れることがないだろうと思います。現地に行くことが出来なくても、食べ物を粗末にしない、資源を大切にする、そして世界の現状を人に伝えるということはすぐに行動に移すことが出来ます。皆さんも今の生活があたりまえではないということ、自分に出来ることは何だろうかと考えてみて下さい。