皆さんこんにちは。Bridge for Children, KGU に所属している二回生の寺井里奈です。
今回のコラムでは【 子ども兵士 】についてお話させていただきます。
現在、この世界では今もなお多数の国で戦争・紛争・内戦が起こっています。まず、子ども兵士について説明させていただきます。子ども兵士とは、「戦闘員、調理人、荷物運搬、伝令、スパイ、もしくは性的目的のために軍もしくは武装集団によって徴募、使用される18歳未満の少年少女」のことを指します。世界では数十万人を超える子どもたちが、兵士として使用されています。例えば、ユニセフによると、2013年以降の南スーダンでは推定1万7,000人の子どもが、徴用・徴兵されています。
では、何故子どもたちが兵士として使用されるのでしょうか?その理由は大きく分けて三つあります。まず一つ目は、強制的なものです。具体的に、誘拐に等しい方法で子どもたちを家庭、学校から引き離し、軍の在留地に送ります。二つ目は、自発的なものです。私の想像する子ども兵士の多くはこの方法で兵士として使用されているのだと思っていましたが、子ども兵士の中には、自ら志願して兵士になる子どもたちもいます。その理由として挙げられるのは、恵まれない環境で生活をして、教育をまともに受けることのできない子どもたちにとって軍隊は、食糧や住む場所、ましてや給料までもらえることが出来るなど、普段の生活では容易に手に入らないものを与えてくれる場所であるため、自ら志願する子どもたちがいるのです。三つ目は、洗脳などによる誘導的なものです。具体的に、幼い頃から国家主義的あるいは民族主義的イデオロギーに基づくアイデンティティを形成させ、政治思想を吹き込むことによって、子どもたちを紛争に参加するように駆り立てることを指します。
私は、いくら自ら志願して子ども兵士になったとしても、精神的ダメージ、肉体的ダメージはとても計り知れないものだと思います。強制的に子ども兵士になった子どもたちにとって、最初の試練は、肉親を自らの手で傷つける、最悪の場合殺さなければならないことです。なぜ、そうしなければならないのかというと、肉親を殺してしまうことで彼らの帰る場所を失くそうとしているのです。恐らく、彼らにとって帰る場所があるということは生きる希望になり、何としてでも耐え抜こうと思いますが、帰る場所を失うと頼るところは軍隊しかありません。そうやって子ども兵士を洗脳していくのです。肉親を自らの手で殺し、目の前で死ぬ姿を見届けることは、幼い彼らにとってどれほどのトラウマになるか想像できますか?恐らく、私たちの想像をはるかに超える恐怖だと思います。
また、彼らは生きるために何人もの人々を自らの手で殺さなければなりません。そうした経験は彼らに肉体的・精神的ダメージを与えます。仮に、戦争が終了して軍隊から解放されても、彼らにとって社会復帰することはとても困難です。紛争から解放をされても、紛争は彼らを苦しめ続けるのです。
そうした彼らの社会復帰をサポートしているのがユニセフです。ユニセフは主にパートナー団体と連携を取り、カウンセリングや教育、職業訓練などを行うプログラムを実施しています。現在の日本では、戦争の恐ろしさを知らない世代が今の社会を作っています。海外で起こっている戦争は、他人事のように思う人もいるかも知れませんが、かつて日本も戦争国であり、残虐な行為を繰り返していました。
戦争の恐ろしさを知っている国に住んでいる私たちは、世界で起きている戦争に目を背けずに、向き合っていくべきではないでしょうか?私は彼らが一刻も早く、戦争から解放され明るい未来を想像して生きてほしいと願っています。このコラムを読んで、少しでも戦争で苦しんでいる子どもたちに目を向けていただけたら幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。
【参考文献】
http://volunteer-platform.org/heisi/
https://www.unicef.or.jp/news/2http://www.unicef.or.jp/news/2017/0039.html015/0013.html