みなさんこんにちは。Bridge for Children, KGUに所属している2回生の太田佳乃です。今回のコラムでは、「子ども食堂」について書かせていただきます。
みなさんは、「子ども食堂」をご存知ですか?子ども食堂とは、経済的な事情などにより、家庭で十分な食事が取れなくなった子どもに、無料、もしくは安価な食事や居場所を提供する活動です。第5回のコラムで「日本とフィリピンの貧困の違い」でもあったように、日本でも約6人に1人の子どもが貧困状態であるとされています。もはや貧困問題は、特別なものではなくなってきています。そんな中、貧困の子どもたちのために動いている活動が増えてきています。そのひとつが「子ども食堂」です。子ども食堂は、全国に300箇所以上あり、子ども食堂ネットワークがそのひとつひとつの食堂とその活動に興味関心を持った人たちを繋げています。また、子ども食堂は、子どもだけではなく、大人から、どんな人でも行くことができるという点でヒューマンネットワークの形成の場としても存在しています。
私は、実際に子ども食堂を訪れてみたくて、5月に大阪の西成にある子ども食堂へ行ってきました。実際に訪れてみると、元気にはしゃぐ子どもたちの姿。それほど大きくはない一軒家に、男の子も女の子も学年問わず15人ほど、ボランティアで来ている女性スタッフ5人ほどで賑わっていました。そのアットホーム感のなか、子どもたちはすぐに私を輪の中に入れてくれました。私は、何人かの子どもと話しましたが、この子たちは本当に貧困で困っているのかな、ふと疑問に思いました。何も不自由なく暮らしているように見えたからです。子どもたちが帰った後に、ボランティアの女性スタッフの方々にお話を伺いました。貧困に見えない子どもたちでしたが、実際には、お父さんが違う、お母さんがいないなど、一人ひとり異なった事情を抱えていたのです。お金だけではなく、心の貧困も多く見られました。“見えない貧困”を実感した瞬間でした。外から見えにくい「物」「人とのつながり」の欠如が子どもたちの貧困を見えなくしているのです。子ども食堂は、「人とのつながり」の面で子どもたちを支えている活動でもあると考えます。
それも踏まえ、私が考える子ども食堂の意義は、2つあります。一つ目は、子どもの孤食を防ぐこと。二つ目は、貧困の子どもたちへの食事支給です。親が仕事で忙しく帰るのが遅い、また、わずかな夕食代でカップ麺やお菓子を買い夕食にする子どもも増えているそうです。地域のつながりを作ること、食事を作る親の負担を軽減すること、また、子どもの居場所として、子ども食堂は多くの役割を担っています。
しかし、子ども食堂にも多くの課題があります。今回訪れた食堂は、資金不足と子ども食堂の認知度の低さが課題として挙げられていました。認知度が低いこともあり、まだまだ資金が足りず、地域の方々に頭を下げるなど、自分たちでまかなっているところもあるそうです。また、ほかの子ども食堂でも食料やボランティア人材、寄付金などそれぞれの食堂で必要としているものは多くあります。その必要としているものを私たちは、“子ども食堂ネットワーク”で知ることができます。したがって、地域のつながりや、積極的な支援が子どもたちを支える鍵となるのです。
このコラムを読んで、多くの方が日本の子どもの貧困を認識するとともに、貧困の状況にある子どもたちに少しでも手をさし伸ばしていただけたらうれしいです。そして、私自身、所属しているBridge for children, KGUの活動を通して、多くの子どもたちの笑顔を増やすために自分に何ができるか、常に考え、行動に移していきたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
<参考文献>
http://kodomoshokudou-network.com/
https://www.nhk.or.jp/docudocu/program/46/2586894/index.html
https://charity-japan.com/