BFC新4回生の浦野紗友美です。
いつもコラムをお読みいただき、ありがとうございます。
第6回のテーマは、「MDGs(ミレニアム開発目標)とSDGs(持続可能な開発目標)」です。みなさんはMDGsやSDGsは聞いたことがありますか。聞いたことがあっても、なかなか内容を理解するのは難しいと思う方が多いのではないしょうか。そこで今回は、「MDGsとSDGs」の概要をわかりやすく簡単に説明させていただきます。
世界には不平等が存在します。日本やアメリカのような先進国は、高い学費を払い大学院まで通い、良い給料をもらい、エアコンを使ったり、車に乗ったりと快適な暮らしをしています。一方でフィリピンや南アフリカなどの途上国では、学校にも行けず、ご飯も十分に食べられず、病気にかかってしまい、病院に行けず命を落とすといったケースも少なくありません。
そこで2000年に先進国と途上国の国連加盟国は、この不平等をなくすため、途上国の生活を向上し、先進国が途上国を援助することを決めました。それが、「MDGs(ミレニアム開発目標」と呼ばれるものです。このMDGsは、「極度の貧困と飢餓の撲滅」や「普遍的な初等教育の達成」など8つの目標を掲げ、2015年を達成期限としました。MDGsの基準となる1990年当時、世界の5歳未満で命を落とす子どもは1270万人でしたが、2015年には590万人にと半減しました。また、途上国の初等教育準就学率も83%から91%に向上し、MDGsの成果が見られました。しかし、途上国の中には、今もなお栄養不良の子どもや小学校に通えない子どもが存在しており、極度の貧困に苦しめられているという課題が残されました。
そこで、2015年に再び国連加盟国が話し合いました。ここでは、2030年を達成期限とするSDGs(持続可能な開発目標)と呼ばれるものが定められました。これまでのMDGsでは途上国の貧困や初等教育などの開発問題を中心とし、先進国がそれを援助するという形でした。しかし、このSDGsでは途上国の開発の分野だけでなく、先進国を含む全ての国における経済の開発、社会の発展、環境の保全の3つの柱の共存を目指すものです。これら3つの柱は相互に関連し、そのすべてが持続的な個人と社会の平和にとって不可欠だからと考えるからです。具体的には、気候変動や生物多様性の保全などのMDGsでは十分に対応出来ない新たな問題や、失業人口の増大、所得格差の拡大などを含むMDGs達成後にも残された課題の解決への取り組みとして17の目標、169のターゲットが掲げられています。国連加盟国が交わしたこのグローバルな約束により、全ての国、全ての人が一緒になり、この目標達成に取り組んでいます。
少しでもMDGsやSDGsについて理解を深めて頂けましたでしょうか?現在世界で取り組んでいるこのSDGsは、私たち一人ひとりが達成に向けて動き出すことが必要とされています。私は、所属するBridge for childrenで取り組んでいる国際理解教育を通して、よりたくさんの日本の学生たちに世界の貧困について知ってもらえるように、励んでいきたいと思います。ぜひみなさんもこれからの私たちの世界のために、エコバックを使う、募金に協力するなど、簡単なことから始めてみてください。
長文になりましたが、最後までお読みいただき、ありがとうございました。