BFC3回生の浅井沙也佳です。
早いもので、2016年が終わろうとしています。
お忙しいこの時期ですが、コラムを読んでみよう!と思ってくださった方、ありがとうございます。ぜひ、最後までお付き合いください。
さて年末は、懐かしい仲間と再会する、そんな機会もあったのではないでしょうか。
仲間と過ごすとき、欠かせないのが「食事」ですよね。
美味しい食べ物を食べて、おなかがいっぱいになった後、代金を払い、
また来年も会おうね、元気でね、と約束を交わし、電車やバスで帰路につきます。
「当たり前」の、楽しい風景です。
そこで、想像してみてください。
もし、日本に食べ物が足りなくなり、レストランはほとんど閉まっていて、
スーパーの卵が10個入りで2000円だったら。食パンが6枚切りで3000円だったら。
日本はどうなるでしょうか。どんな行動をとる人が増えるでしょうか。
おそらく、美味しいものは食べられず、おなかがいっぱいにもなれず、友人と会う機会も減るでしょう。お金が十分になくても空腹に我慢ができず、お金を払うという「当たり前のルール」を守ることができなくなる人が増え、犯罪率も上がるでしょう。
秋学期に受けた国際協力論という講義で、教授がこのようなことを話されていました。
「なぜ貧困はあるのか?それは、飢える状況が続くと、人はルールも秩序も守れないから。」
貧困について、自分のことに置き換えて考えたことはありますか。
空腹で、帰る家がないと仮定したら、どんな行動にうつるでしょうか。
冷静な判断、できるでしょうか。
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貧困は、様々は要因が複雑に絡み合い、起こっていると考えています。
『なぜフィリピンの貧困はなくならないのか。』こちらが今回のコラムのテーマです。
フィリピンは人口約1億98万人の国です。
25.2%の国民、実に4人に1人が、国際貧困ライン(1.9ドル)以下の生活をしています。
すなわち、おおよそ2500万人以上が最低限度の食事や生活ができない環境にあります。
そしてその数には、多くの子どもが含まれます。
フィリピンでは、人口が爆発的に増えています。その数を抑制することは、貧困解決につながるといわれており、教育水準の低い層、かつ地方では出生率が非常に高いというデータもあります。では、その数を抑制すればいいのですが、宗教上の理由から強い抵抗があり、非常に大きな壁があります。
あるいは、政府の問題もあります。本来であれば、政府は国家のサービスを地域レベルまで届ける責任があります。しかしながら、それをせず、多大なる資金を自分たちの手に収めようとしている政府の人々がいるのも現実です。その資金が貧困層の人々の雇用促進や教育サービス向上に充てられれば、何か変わるかもしれません。
また、台風災害が多い、という環境の問題もあります。
2013年にフィリピン中部を襲った超大型の台風30号は、もともと首都圏に比べ貧困率が高かった地域を一層深刻にしました。被災地は農業が盛んで、台風による農業被害額は、約157億5500万円に達しました。被災者数は1300万人に達し、家や仕事を失った国民が多くいたのです。
・・・このように、人口の急増・宗教上の理由・政府の問題・自然災害などが複雑に絡み合った結果、生きる経済的な余裕がなくなり、貧困は発生しているといえるでしょう。
各地域にはそれぞれが抱える問題もあります。
また、ひとつの部分が解決されても、貧困は解決されないでしょう。
経済成長を示すGDPでは、貧富の差をあらわす、社会の構造は分かりません。
一部の人々は、経済的に十分な余裕のある生活を送っていますが、その多大勢の人々は、苦しい生活をしていることもあります。
貧富の差などを測るときに参考となる1つの統計はジニ係数である、ということを大学の講義で聞いたことがあります。
フィリピンのGDP成長率は、年々上がっており、2014年は6.1%です。
私は、この数字に満足している人が多いから、国際社会から「フィリピンの貧困」は後回しにされているのだと思います。
貧困問題の解決へは、国際機関・政府・企業・NGONPO・自治体等、様々なアクターが協力しあう必要があり、時間も、労力も、お金もかかります。
それでも、誰かが少しずつ、動いていけば、何か変わるかもしれません。
私たちBFCは、微力ながらにも、学生ができる国際協力を続けていきたいと思います。
2017年も皆様にとって、幸多き年となりますよう心よりお祈り申し上げます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
いきなりですが、あなたが子どものときの夢は何でしたか?私が子どもの頃になりたかった職業は、小学生の時はサッカー選手、中学生の時は社会科の先生、高校生の時は中国の歴史を研究する学者でした。変化はあるものの、夢を叶えるために練習したり、勉強したり、一生懸命頑張っていた記憶があります。今は別の目標がありますが、目標達成のために大学生活で色々な経験を積んでいるところです。
今回は自己実現するために恵まれている私の環境と児童労働者の環境を比較しました。
夢や目標を持つという権利は誰しもが持っており、また誰にも取られてはならない権利です。しかし、世界にはその権利を持つことができない子どもたちが存在し、その多くの子どもたちは強制的に働かなければならない環境にあります。その一つの原因は貧困です。親が働いていても家族全員を養うほどの経済力がない、親が病気で代わりに働かなければならないなど、貧困の中で暮らす子どもたちは働かざるを得ない状況にあります。また戦争、紛争に巻き込まれた子どもたちも教育を受ける機会を多く失っています。
他にも児童労働の原因は多くありますが、どのような原因にしろ、それは子どもたちが望んだ仕事なのでしょうか。またそれは子どもたちにとって適切な仕事なのでしょうか。このように子どもたちが労働を強いられている現状を見過ごすことはできないものの、今の私の力では何も変わらないのが現実です。
しかし、現状を少しでも良い方向に進めることは可能だと考えています。教育の環境がなければ、その環境を作りたい。誰しもが明確な目標を持って、自己実現できる社会をつくりたい。児童労働者が将来の夢・目標をいきいきとした顔で話し、辛い環境の中でも夢に向かって行動できるようなサポートをしたい。これが今の私の想いです。それを一人でも多くの子どもたちに届けることが私の自己実現のあり方です。
私は学ぶ環境、さらには勉強のためなら両親が全力でサポートしてくれるという環境があるからこそ、様々な夢や目標を持ち、自己実現のために努力しています。
このような環境を当たり前だと思わず、恵まれたことに感謝することが本当に大切なことだとこのコラムを書いて感じました。
一人でも多くの子どもたちが笑顔で目標に向かって進めるよう、私はBFCで活動を続けていきます。そして私たちと一緒に活動をしたいと皆さんに思っていただけるよう広報活動も活発させていきたいです。
長文になりましたが、最後までお読み頂きありがとうございました。